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技術系テクニカルアーティストのあれこれ

Unreal Engine 4 - First Look 超訳

About.com Game Industry
Unreal Engine 4 - First Look
http://gameindustry.about.com/od/trends/a/Unreal-Engine-4-First-Look.htm

まずは この動画 をみてくれ。GDC で発表したデモ映像だ、すごいだろう?
次に これ 。Alan Willard が新機能について解説するデモ映像だ。

Epic GamesGDC 2012 で Unreal Engine 4 のお披露目を行った。次世代ゲームエンジンのためのいくつかの重要な機能をもって、ゲームのつくりかたに革新を与えるであろうエンジンであることを発表したんだ。


■ Background

最初のバージョンの Unreal はこんな機能を持ってた。

  • 3D ソフトウェアレンダラに加え、OpenGL/DirectX のサポート
  • UnrealScript というスクリプト言語
  • ネットワーク通信機能
  • サウンドエンジン
  • アニメーションシステム

Unreal Engine 2 はレンダラにいくつかの重要な変更を加え、物理エンジンも組み込んだ。

Unreal Engine 3 では更に大きな変更をいくつも加えた。

  • コンテンツパイプラインの大幅な改善
  • Kismet というビジュアルスクリプティング環境
  • Cascade というパーティクルシステム
  • マテリアル・シェーダコンパイラ
  • Xbox 360PS3 のサポート

その他いくつもの拡張を行うことで、AAA スタジオが開発効率の改善を行うための環境が整った。(Flash/iOS/Android/Vita 対応はこのときまだ開発中だった。)

とはいえこの時点で、ゲーム開発における最も大きな問題は UE3 とは別のところにあった。とにかく物量が多い。3DCG を使う AAA タイトルを作るには、マンパワーもマシンパワーもかかりすぎる。

ひとまず UE3 では、ライティングの計算を複数のコンピュータで分散レンダリングできるようにした。もちろんそのためのコンピュータ(サーバとか)を用意するのはカネがかかるし、非力なマシンでゲームをつくるのはそれ自体がリスクにもなりうるというデメリットはあるのだけど。


■ Advances Found in Unreal Engine 4
Dynamic Global Illumination

Unreal Engine 4 で最も大きな機能拡張は、すべての光源が動的に計算されるようになったことだ。ライトも、影も、反射も、設定を変えるたびにプロジェクトをリビルドする必要はなくなった。より短い時間で調整ができるようになる。デモの映像を見てもらえば一目瞭然なんだけど、GTX 680 を 1 枚だけ積んだ PC でも、見違えるような編集環境を用意できる。もっとも、これはあくまで「デモ」であって、ちゃんとしたゲームをつくるにはいろいろとハードの制約があるんだけど、、まぁ、エンジンとしての品質は約束しよう。

  • メリット
    • 光源を編集するのに必要だった「待ち時間」が大幅に短縮された
    • ものすごいマシンでなくてもだいぶ動くようになった
  • デメリット
    • マシンスペックによっては、デモ映像にあるようなことができないこともある
      • もちろんそのコストはゲームのプレイヤーにも跳ね返ってくる

GPU Particles

パーティクルシステムを組み込むと実効速度を最適化するなんてできやしない。見た目はすごく綺麗だけどとにかく重い。UE4 はそういうこれまでのシステムと打って変わって、超高速な GPU パーティクルシステムを実現した。今まではせいぜい数100が限度だったのが、100万個のパーティクルをリアルタイムに編集・実行できるようになる。

The Evolution of Kismet

Unreal Kismet は、今回のアップデートでかなり進化した。これまでもビジュアルスクリプティング環境を使ってゲームアセット全体を編集はできたが、今回の Kismet では、オブジェクトの振る舞いを記述できるようになった。デバッグ環境も整備されているし、自分で定義した「テンプレート」をもとにアセットを作ることができるようになって、それをゲームシーンの様々な場所に配置できる。

カスタマイズ性も更に増して、オブジェクトのプロパティをプログラマが直接 C++ で書けるようになってる。もちろん、プロパティを書き換えてもシーンのリビルドは必要ない。

これまでは UnrealScript を使ってレベルデザインを行うような仕組みで、ユーザが mod をつくるときもそうだったけど、ゲーム内のほとんどのレベルを UnrealScript で制御してきた。けど、今回から UnrealScript は廃止された。

ようするに、ゲームエンジンは 100% C++ で記述できるようになって、かなり最適化されることになる。PC なら DLL も引き続き使うことはできるけど、従来の UE ユーザにとっては相当大きい変更になるはずだ。これまで mod をつくって楽しんできたゲーマーコミュニティにとっても、非常に興味深い、大きな岐路になるだろうね。

What Does Unreal Engine 4 Mean For Studios Developing for Next-Gen Platforms?

Epic 曰く、UE の目標は「次世代ゲームタイトルをより簡単に効率よく」制作すること。これがリリースされれば、コンソールでも PC でも AAA タイトルでの採用でまた一位に返り咲くだろう。もちろん、それだけのパワーを持ったハードがちゃんと市場に出回れば、の話だ。実際のところ、この話題の中心にはマイクロソフトとソニーがいる。Epic は彼らに、はっきりと宣言したんだ。多少制作コストが上がっても、「次世代」のコンソールをつくっても大丈夫なのだと。


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なんていうか、いかにもアメリカ人っぽいというか、そんな感じの記事だよなぁ。まぁ、個人的にはハイエンド派だし、おもしろいとは思ってるけども。うん、あと、実際やってみて思った。この手の和訳はテクニカルな部分が少なくてあんまおもしろくないやw