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技術系テクニカルアーティストのあれこれ

結局のところTAってなに?

最近身の回りでよく喧々諤々する話題について、
なんとなく独断と偏見を書き殴ってみる。


  • アーティスト原理主義

「絵がかけない奴はTAじゃねえ! ツールを受注して作るのはツールプログラマであって、TAとは技術視点を併せ持って絵作りを主導できる人間のことだ」派。こう言い切れる人はやっぱりいて、ぶっちゃけかっこいい。ただ、滅多にいない。

  • もうどうでもいいよ

「TAもツールプログラマもよくわからんしもうみんな[TA|ツールプログラマ]でよくね?」派。とても現実的だけど、それって結局絵作りはスーパーマンなアーティストに丸投げ感。

  • チームでTA

「技術もある程度わかるアーティストの下にプログラマとアーティストをつけてみんなで解決」派。スーパーマンなんていないのでみんなで力を合わせて絵作りを支えましょう。上司/会社の理解さえあれば……。あとカネかかる。


まず現状として、僕は自分のことをパイプラインエンジニアだと思っとります。ツールとかつくったり、ワークフローの仕様切ったりしてる。学生時代にイラストとかかいてみたりCGの専門学校にも行ったりしたけど、やっぱり絵描きにはなれなかった典型的絵描き挫折系で御座います。CGに関われる場所を探してて気が付いたらプログラマになってました的なアレ。やっぱ悔しいから絵の勉強はちょっとずつ、これ以上心が折れないように少しずつ進めてるけど、だいぶ先は長そう。とはいえ今の立場で技術力で負けるわけにはいかないから、平均的プログラマ程度にはいちおう頑張ってるつもり。

そういう立場から思うこととしては、「チーム」派に主導権を握って欲しいなぁと思ってたりする。チームメンバーの評価とかもすっごい難易度高いんだろうけど、自分がスーパーマンになるにはあまりにも時間がかかりすぎるし、かといって全部混ぜちゃうよりは少しでも綺麗な面白い絵を出すことというか、あくまで「絵作り」のために自分の力を使ってもらえる立場になりたい。そのためには自分をどう使えるのか明確にする必要があると思っていて、CGプログラマとアーティストの板挟みになるでもいいし、少しでも絵作りに集中できるようなパイプラインだって必要だと思う。ようは、誰がどういうふうに「絵」に関わっていくのかを、ある程度共有できてる状態がいいのかなぁと。「結局それアーティディレクターに丸投げしてるだけじゃん」的な状況をつくらないこと。今どきの絵はもう、スーパーマンでもない限りそこで完結はしないんだし、ものを決める度にいちいちCGプログラマの手を止めない環境を如何につくれるかなんだと思う。

んで、スーパーマンがいればその人んとこ行けばいいんだけど、それだとその人の負担が大きくなりすぎちゃうし、そうじゃないと誰に何を相談すればいいのかわからないし。けどそういうのは多分相談する側がわかる必要はなくて、というか、「TA」っていうふわっとした集団がいて、その窓口になる人が相談を受けて中でみんなで検討したり、逆にその窓口の人が分散して各タイトルに入っていってああだこうだ口出ししたりして絵作りを引っ張っていって、けど実際に引っ張る案を考えてるのは中の人たちでしたみたいな。中の人の役割分担は、とりあえず中の人たちで共有できてればいい。中の人はスーパーマン予備軍かもしれないしそうじゃないかもしれないけど、どっちにしろそういうチームには、今後はもうアートのスペシャリストと技術のスペシャリストが両方必要なわけで、それはもう個々人の目指す方向性、ってことで。あぁ、なんか贅沢なチームだなぁ、そんな集団がいたら個人攻撃でゲーム制作チームに引き抜かれそうだ。。引き抜かないほうが今後のためだって、どこまで上を説得できるかどうか。チームマネジメントも大変そうだ。。何より、ゲーム会社に来たからには、みんなきっとゲーム制作チームそのものにはいりたいんだよね。


結局何が言いたいのかはよくわからんくなったけど、いまなんとなく思ってるのは、だいたいそんなかんじ。綺麗で面白い絵ができていくのを、そのど真ん中もしくは右斜めうしろくらいで、自分で手を動かしながらみていたいのです。