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技術系テクニカルアーティストのあれこれ

「『TAが欲しい!』じゃ伝わらない ~現在のゲーム業界におけるTA再定義、再認識~」についての雑感。

 クリーク・アンド・リバー社 さんが CEDEC でおもしろい講演をしてたので、それについて思うことを書いてみる。まずは講演内容をざっと要約して、その中の論点について、自分の脳内を書き下してみようと思う。
cedil.cesa.or.jp

 これはあくまで個人的な考えであって、業界内で常に通用する標準的な議論でないことは、あらかじめお断りしておく。併せてクソ長ポエムでもあるので、先に結論をまとめておく。

 最終的に言いたいことは「TAは自身の領分を言語化・可視化する必要がある」という1点のみで、その理由は以下の4点だ。(1) TA界隈は人材不足だ。(2) TAは上級職ではない。(3) 言語化さえできれば現場はあまり困らない。(4) 可視化できれば周囲の助けになり、巡り巡って自分たちを助ける可能性がある。

 なおこの記事には以下の補足があるので、もしよければこちらもどうぞ。「ぶっちゃけ困ってるのそこじゃない」と「トレンドが違う場所ってあるよね」の2点について補足する内容になってる。
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講演内容の要約

 人材紹介業者として TA のあっせんを行う立場からみて、TA のニーズは高い*1。その原因として、「大規模化する開発」と「働き方改革」との板挟みによって業務効率化が必要であること、専門特化していく各職種間を横断的に橋渡しする人材が必要なことなどが考えられる。

 しかしTAの定義は各社バラバラで、個人の能力や素養などに依存しがちな体質であることは否めず、需要に対して不足分を補う手法*2は確立されていない。その要因として、企業が求めるTAの素養が漠然としている*3こと、求人文書*4に抽象的な記述が多いことが、経験的に理解できた。よって、漠然とした抽象的な認識から脱却する必要があると思われる。

 TA職の求人内容と、TAが実際に遂行している業務とを比較してみると、複数の職種*5が、TAというひとつの枠内で募集されているように見受けられた。つまり「TA」とは、「職種」ではなく「職群」なのではないか?

 だが実際のその「職群」内に存在するであろう「職種」を具体的に列挙してみたところ、適切な職種名を揃えることができなかった。これは、TAのスキルセットや求められる能力発揮が流動的で多岐に渡るため、職群内にシンプルな名称だけを用意しても、キャリアの将来価値まで含めた表現にならないからだ。そこで、非開発職も巻き込んで「TA」を具体的に認識するために、「スキルレーダーチャート」を提案する。まだ未完成ではあるが、分かりやすく可視化できそうな感触を得ている。

 TAキャリア確立のために必要なのは、スキル・指向性の可視化と、それを反映する現状*6に沿った育成モデルの形成と考える。そのスタート地点として、一芸型の育成*7を提案したい。この場合、現役TAの業務を育成対象者にそのまま引き継ぐことは難しいと思われるため、手持ちの領域をひとつずつ渡していく必要がありそうだ。また、現状は属人化によるブラックボックス化のリスクも抱えているため、個人だけでなく組織として対処すべき問題でもあるだろう。

この記事が書かれた視点

 まず大前提として、国内企業全体で通用するような、TA職の業務内容に対する確立した共通認識*8というものは存在しない。というか、存在していたらこの講演に意義は無い。つまり複数の独自な視点が入り乱れた場であり、すべての発言が、相対化されていないポジショントーク*9になりうる。そういう場では発言者の視点を踏まえた上でないと意図を捉えることができないため、まずはこの記事を書いている自分の立場を、公開に差し支えない範囲内で整理しておく。

 自分は比較的大規模なモバイルゲームパブリッシャーのTAチームのリーダー*10で、社内各所や各部門長と相談しながら、各タイトルなどに対してTAの配置調整を行い、自分もその一人として現場を担当している。アーティスト・エンジニア双方とのやりとりの割合は半々程度。アーティストの技術啓蒙やDCC関連の情シス対応なども一部担当する。チームメンバーの経歴は様々で、ゲーム系のアーティスト出身や、映像系・他業種・他部門からの転向など。

 チームは社内の他と比べるとかなり小規模で、互いの目が届きやすく自分の立場からは快適に思える。ただ会社の制作規模に対して自分たちの手数は追いついておらず、チームを拡大したいと思ってはいるものの、あまりうまくいっていない。理由は主に、社外からの応募数を増やせない*11、社内から配置転換させるための下地作りや各種調整の難航*12、今後の分割統治を前提としたチーム運営ができてない*13あたりだろうと捉えている。

 それなりによくある立場ではないかなと思う。

TAは本当に人材不足なのか?

 講演の冒頭でも触れていたし、そもそも人材不足であるからこそ、こういった講演が行われるのだろう。上に挙げたとおり、自分の感触としても手が足りていない。そのせいで(良くも悪くも)仕事を選ぶ必要に迫られること*14が多々あるし、会社によっては業務委託をフル活用しているケース*15もあるらしい。また、コロナ禍以前に行われていたArtists Meets Technicalsはおそらく国内最大のTAの懇親会だが、それですら参加者は7-80人程度にすぎない*16

 講演者の立場にたつと、現場の自分たちが考える以上に厄介な状況かもしれない。狭いコミュニティ内での人材移動は必然的に人づてになりやすく、現況が可視化されにくい。講演者たちの問題意識は、あるいは自分たち以上に強い*17可能性すらある。もし自分がその立場なら、この講演のテーマには一際の意義を見出しても不思議ではない。

上級職としてのTA

 TAは「上級職」*18と呼ばれることが間々ある。理由は業務の横断性にある*19ことが多いのだろうが、これはTAが人材不足であることの理由として挙げられやすい。

「上級職」と呼ばれる理由

 まずTA職の特性として、何らかのかたちで業務効率化を担うことが非常に多い。これを遂行するために多くのTAがプログラミング能力*20*21を備えており、簡単なGUI程度なら自前で用意できる人は多い。そしてTAの出自*22を考えればある意味当然ではあるのだけど、アーティストとしての就業経験を持つ人がとても多い。ここで、「ソフトウェア技術が分かる*23アーティスト」としてのTAが成立する。

 また、パイプラインエンジニアリングやリギングといった分野では比較的高度なプログラミング能力が必要とされることが多く、その上で、アーティストの制作環境*24に関する知識や経験、各種制作ノウハウも必要だ。実際、この分野には「理系大学(または大学院)とCG系専門学校の両方を卒業した人」というのが一定数存在する。エンジニアとしての就業経験を持っていることも多く、これは「アート制作が分かる*25エンジニア」としてのTAということになる。

 なるほど、たしかに「上級職」と呼ぶことにやぶさかではなさそうだ。

「上級職」と捉えることの影響

 ここで一旦立ち止まって、「上級職」の定義について考えてみたい。某国民的RPGを思い浮かべる人が多いかもしれないが、なんにせよ、「特定分野での一通りの能力を備えた上で、他分野での能力も兼ね備えている」というあたりが無難な認識だろう。

 ひとつめの問題は、どの程度「兼ね備えて」いるかだ。おそらく多くの場合、「ソフトウェア技術が分かるアーティスト」はエンジニアにはなれないし、「アート制作が分かるエンジニア」はアーティストにはなれない。理由は非常にシンプルで、本職が持っているほどの能力を備えていないからだ。例えば自分は後者の「アート制作が分かるエンジニア」に該当するが、とてもじゃないが本職のアーティストに「アート制作で」張り合える気はしない。

 じゃあ、たとえば「アート制作が分かるエンジニア」は、本職のエンジニアになれるんだろうか。もちろんアーティストになれるよりは可能性はずっと高いだろうが、おそらくなれない場合も多いんじゃないだろうか。TA職は平均的なエンジニアやアーティストよりも高く処遇されていることも多く、この文章を書いている自分も含めて、それに見合うだけのバリューを各職域において出せるかと言われると、それなりに難しいことが多いのではないかと思う。*26

 こういった半ば自虐のような悩みをTA自身から聞く機会は、決して少なくない。自分で自分の首を絞めている格好だ。

 もうひとつ、イマドキの流れを考えると無視できない対象がある。「新卒TA」だ。このところ決して少なくない企業が、新卒でTAを採用して、育成を進めようとしている。自分としても、キャリアとして成立することを前提に新卒から育てることは、素晴らしい取り組みだと思う。しかしTAを上級職として定義することは、新卒TAを育てる努力を否定する。理由は、一般職としてもままならない新卒スタッフが、上級職たりえる理由を見つけられるはずがない*27からだ。

 よってTAは、まず何より自分たちのために、TA職を上級職として見做すべきではないのだと思う。

キャリアとしての「超人」の位置付け

 とはいえ、ごく一部の超人*28を想定することも、できないわけではない。そんな超人を見かけたことのある人も、おそらくいる*29だろう。しかしTAを「職種」と見做す以上、それはキャリアとして成立している必要がある。そしてキャリアとしての成立条件は、その再現性にあると考えている。

 たとえば「グラフィックスプログラマー」*30について考えてみる。これになるためには、まずはプログラミング能力と、コンピューターサイエンスの素養を身に付ける必要がある。それに併せて、レンダリングパイプラインやシェーダーに関わる経験を積んでいけばいい。画や色について厳密に検討したり、ハードウェアまで意識した最適化ができる能力は、他のプログラマーとの差別化要因になりやすいだろう。その上で一定以上の能力発揮を認められれば、きっと「グラフィックスプログラマー」として、キャリアのレールに乗ることができるはずだ。キャリア開発における「再現性」とは、そこに至る道筋を具体的に言語化した上で、それを実際に辿ることのできる人員が一定数以上に存在できる度合いを指す言葉なのだろう。

 過去のCEDECを遡ってみると、「プログラマーとして10年、アーティストとして10年の就業経験を持つ人が欲しい」などと議論された形跡*31が残っている。当然ながら、「普通に考えて無理」という結論がすぐに出されていた。供給に20年もかかるなら需要に追いつかないことは明白だし、それ以前に、そんな育成体制を取ることができる組織は非常に限られているはず*32だ。

 つまり、「超人」はキャリアとしては成立しないと考えるのが妥当だろう。理由は、再現性がないからだ。*33

一般職としてのTA

 というわけで、「再現性のあるTAのキャリア」について考えてみる。そもそもTAが上級職と捉えられてしまったのは、既存の職種分類のうち複数にまたがる能力が必要とされるのが理由だった。であれば、既存の職業分類を前提にしないのであれば、上級職に分類する必要もない。たとえば学術界では、「芸術工学」や「デザイン・エンジニアリング」といった、アート(またはデザイン)とエンジニアリングとの間を横断する分野が既に存在する*34。これらは研究科だけでなく学部内に設置されていることも多く、特段の専門性を持たない学生を迎える準備が整っている。

 となれば話は簡単だ。つまり現役のTAは、学際領域に類する分野の能力を身に着けた専門家だと見做すことができる。あくまでその分野の専門家であって、他分野の上級には位置しない。

 たとえばパイプラインエンジニアの場合、ソフトウェアの開発設計・DCCオペレーション・アート制作フロー最適化の道具作りを担う分野であって、別にエンジニアとアーティストとを横断する分野と位置付ける必要はない。そういう分野が、エンジニアやアーティストとは異なるものとして存在している、という解釈だ。

 そんな言葉遊びなんかしたって仕方ないだろうって思う人もいるだろうけど、これまで散々言われてきた「上級職」とか「横断的」という概念自体が、そもそも「エンジニア vs. アーティスト」という分類上の、つまりは用語として定義される上での問題*35でしかない。

 キャリアについても、そう認識さえしてしまえば、その認識したとおりのレールを敷くことができるはずだ。たとえばパイプラインエンジニアの場合、そこに至る道は上記の通り、その先は、開発環境を含めた全体を統括するテクニカルディレクターや、ビジネス要件まで見据えたシステム設計全体を担うアーキテクトあたりに設定することは、おそらく可能だ。もちろん、現場のスペシャリストだとか、一般的な管理職の立場なども、十分すぎるほど良いキャリアになりうる。

 そう考えると、今回のCEDECでの講演内で登場した「テクニカルアニメーター」や「シェーダーアーティスト」などの呼称は、そういった一般職*36としてのTAを定義しようとしたものだと理解する*37こともできる。そして講演者は、「シンプルな職種名のみでは明文化できない」という結論に至った。

言語化の個別性

 たしかにこの価値観*38を採用すると、領域内に存在するテーマが多様すぎて、それに応じて呼称(≒分野)の数が増えすぎてしまう。仮に呼称を定義できたとしても、おそらく実運用には耐えない。

 非開発者が主要メンバーとなる人材紹介業の性質を考えると、客観的な呼称が与えられていない対象はかなり扱いにくいはずだ。であれば、TAを職群と捉えて、そこに内包される職種を個別に言語化しようとするのは、それ自体は正しい方向性だと思う。とはいえ現実的な運用はきっとできないのだから、この方向性を深追いしなかったことも、きっと正しいことなのだと思う。

 一方で、人材紹介業は脇において現場のことだけを考えると、そういった個別的な言語化*39でも十分有用になりうる。言語化さえ行われていれば、再現性の高いレールを敷く難易度は下がる可能性が高いからだ。ここでいう「レールを敷く」というのは、講演内にあった「師匠が存在している」ことに対応する。併せて、講演内の「現役TAがロールモデルになる」というのは、その師匠たちが行う個別の言語化に対する確信度*40が高い状態に対応する。なので、「できること」が明確に言語化されてさえいれば、「できることはその人次第」でも現場はまったく困らない。*41

 ロールモデルが見当たらない、つまり、レールを敷くことができない分野では、当然ながら育成の難易度が跳ね上がる。それは師匠として言語化の練度が足りないか、弟子採用時のミスマッチである可能性が高そうだ。そしてこれに関しては、プログラマー等の他職種でもあまり変わらないのだろう。*42

 そういった理由で、確信を持ったロールモデルを目指す必要があるのだと思う。それさえ実現すれば、そうやって敷いたレールの長さを「戦力化までに使える工数*43」で割り算して、目標に対して微調整するフェーズに進むことができそうだ。

スキルセットの可視化

 とはいえ、「師匠たちの専門分野」をどのように呼称すべきか、という問題は残り続ける。仮に人材紹介業者ではなかったとしても、非開発者にプレゼンテーションする必要性*44からは逃れられない。端的な表現で伝える必要がある。そのために、「スキルレーダーチャート」が講演内で提案されたのだろう。

 可視化というのは、複雑なものを、その複雑さを保ったまま、より直感的に表現するための手法なのだと思う。そもそも、ある程度に組織化されたTAたちを抱えている企業であれば、採用時に参照する要求スキルの一覧*45くらいは既に持っているはずだ。ただ、それはおそらく内輪向けの文書で、外部向けのプレゼンテーションには向いていない可能性が高い。だからといって不用意に情報量を落とせば、文書として機能しない。その状況を鑑みて提案された可視化手法なのだろうから、歓迎されてしかるべき*46なのだと思う。

ふるいにかける手法

 さて、少し脇道にそれて、先に挙げた「言語化」が不可能だった場合にどうなるのかを考えてみる。その場合、レールを敷くことができず、したがって後進に対する具体的な指導は難しい。

 おそらくこの界隈にいる多くの人が、新しい技術を習得しようとするも、初心者向けのチュートリアルなどが見当たらず、分厚い書籍や難解な公式ドキュメントを前にして途方に暮れた経験を持っている*47と思う。そんな状況に弟子を放り込む。師匠にできることといえば、OJTと称して現場に連れ込み、適当に難易度の低いタスクを割り当てた上で、定期的な1on1で様子を伺うくらいのもの*48だろう。弟子を被検体にして、師匠がトライアンドエラーを繰り返すことになる。

 もちろん、「弟子」がそういった過程を経験することは、決して無駄にはならない。むしろ役にすら立つだろうと思う。ただ、その経験をするにあたっては、「師匠」の存在は不要だ。*49

 そういえば少し前に、「『仕事は盗んで覚えろ』というのは初心者を効率的にふるいにかける手法であって、新人を育てる手法ではない。」といった旨の文章*50を読んだ。「背中を見せる」ということについての、端的で良い説明だと思った。その手法自体が有効な場面もあるのだろう*51が、残念ながら自分たちのこの職域は、現状では母集団形成が不可能なほどに小さい。そんな場所に主体的な興味を持ってくれた弟子候補を手軽に素早く選別する動機付けなどは、正直あまり高くない。また、このご時世にそういったやり方が「育成手法」だと認められる可能性も、おそらくあまり高くないのだと思う。

結論

 さすがに長々と書きすぎた。まとめに入る。

 TAという職域は、現場視点でも人材紹介目線でも、人手不足だ。それは業務の横断性に起因する部分も多いと思われ、そのために上級職と見做されることすらある。だがその見方で問題は解決しない。

 キャリアとして成立するためには、再現性のある一般職としてのTA職というものを定義する必要がありそうだ。併せて、外部向けにそれを可視化する必要もあるだろう。いずれにせよ、特定の価値観をもって言語化することが、その第一歩になるのだと思う。

 おわり。

*1:社内調査によると、「就業者数全体に占めるTAの割合」は0.1~0.5%であるにもかかわらず、「総求人数に占めるTAの割合」は5%程度となっている。

*2:採用と育成の手法。

*3:「アートもエンジニアリングもできるスーパーマン」のような認識をされやすい。

*4:求人広告内の「求めるスキル」など。TA職の記載内容は非常に多岐にわたることが多い。

*5:テクニカルアニメーター、シェーダーアーティスト、パイプラインエンジニアなど。

*6:特に「働き方改革」などを踏まえた、無理のない業務遂行が求められている現状。

*7:現実的な期間内で活躍できる地盤を確保するための、あくまでスタート地点であり、その後は横断的な活躍を想定する「T型」のキャリア形成を目論む。

*8:プログラマはプログラミングをする、モデラーモデリングをする、といったごく基本的なレイヤーでの共通認識。「TAってなにする人?」に対する端的な回答のこと。

*9:別にそれが悪いわけじゃない。世界中にいろんな標準化委員会があるけど、それだって各社のポジショントークが飛び交ってるはずだし、それ自体はとても健全な議論になりうる。

*10:管理職のようなリードスタッフのような、なんとも微妙な立場。

*11:自分たちの情報発信と企業ブランドの両方が足りていない。

*12:組織的な何か、外部人員の育成の難しさなど。

*13:自分の手が届きすぎて立場を引ききれていない、それによるサブリーダーの不在など。

*14:自分らの立ち位置を確保しながら社内各所との調整をするのは、いざやってみると想定以上の大変さ/面倒臭さがあった。もう慣れたけど……。

*15:同日に行われたバンダイナムコオンラインの講演より。

*16:そして非常に多くの参加者同士が知り合いの狭い世界でもある。

*17:人材紹介業の成否には、人材プールの大きさや流動性、全体の需給バランス、そしてそれらをどの程度正確に捉えることができるかが、とても大きな影響を与えるのだと思う。

*18:某国民的RPGでいうところの魔法戦士や賢者などと同じ性質のもの。

*19:それはそれとして、TAを明確に「アーティストの上級職」とみなす組織があったことも知っているが、その組織の現状を知らないのと、現在でも大半の組織が真似できないであろう考え方に思えるので、ここでは触れない。

*20:または各種ソフトウェアを利用した仕組み化を行う能力。

*21:大抵はMELかPython、稀にC++を使う人がいる。最近のモバイル界隈では、UnityのおかげでC#erも増えてきた。

*22:開発の大規模化と複雑化に追われて、アーティストだけではニッチもサッチもいかなくなった制作体制や効率を、アート制作の現場主導で改善する努力を続けてきたのがTAのはじまり。当時はTAという呼称もなく、各社独自の呼び名で呼ばれることも多かった。

*23:ただし、本職のエンジニアほどではない。その代わりに画力が高い。

*24:たとえば各種DCCツールなど。

*25:ただし、画力は低いことが多い。その代わりに技術力が高い。

*26:一方で、待遇を多少悪化させてもよければ各職域への転向はおそらく簡単で、ある意味では非常に良く安定した立場だとも言える。そう簡単には食いっぱぐれないはずだ。

*27:もちろん一部の天才たちは別枠かもしれないが、そもそも「天才」といのうは、一般化した議論の俎上に載せられるほどありふれてはいない。文字通り「天賦の才」なのだから。

*28:エンジニアとしてもアーティストとしても活躍できるスーパーマンのこと。

*29:「天才」はありふれてはいないが、存在しないわけでもない。

*30:自分も過去に目指していたことがある。

*31:たしか10年以上前の「テクニカルアーティストラウンドテーブル」だったと思う。

*32:というかおそらく存在しない。

*33:「そんなの目指せる気がしない」という主観を理由としても問題ない。今回は「キャリアとしての超人」を明確に否定するために、あえて言語化した。もちろん「個人的な特性としての超人(≒天才)」はアリだと思うし、実際に存在もするのだろう。

*34:もう少し視野を広げると「リベラルアーツ(教養学)」なんてのもある。学際領域ってなんとなく新しい気がしがちけど、考え方としてはかなり古い。この分野出身のTAも当然存在する。

*35:もちろん用語として定義されていることはとても大切で、言語で表現できないものを議論の対象にすることは原理的に不可能なはずだ。一方で過去の定義を金科玉条とする必要はないし、それを理由に過去の議論を否定する必要もない。

*36:上級職や横断的職種ではない、という意味合い。

*37:あくまで自分が「理解できる」ってだけで、講演者の意図とは異なる可能性はもちろんある。

*38:上に挙げた、TAを「学際領域に類する分野の専門家」と捉える考え方。

*39:「テクニカルアニメーター」などの個別名称のこと。

*40:自分の専門分野と、そのために必要な能力について、具体的に言語化できる度合い。

*41:これも考えてみれば当然の話で、「自分に何ができるか」をプレゼンテーションできない人が、採用面接に合格する可能性はとても低い。また、部下に「何ができるようになって欲しいか」を言語化できない人は、部下の育成に高確率で失敗する。

*42:ただし母集団が大きい職種であれば、自分以外の誰かがより良い言語化をしてくれる可能性が高い。その点で有利ではある。

*43:おそらく所属組織の体力や、在籍年数の見込み、TA需給の逼迫度あたりに依存するのだと思う。

*44:少なくとも、自分たちの人件費を予算化するために会社に掛け合う必要があるし、社外向けの採用活動や、諸々の社内営業なども必要だろう。

*45:おそらく形式は様々で、応募者に記入をお願いするチェックシートだったり、面接官が参照する書類だったりが一般的か。ただしTA職に特化していない可能性はある。

*46:既に良いリアクションを得ているようだし、自分も良い提案だと思った。

*47:自分も持っている……。

*48:自分も似たようなことはやったことがあるし、今となっては反省もしている。

*49:そもそも自主性や主体性といった言葉は、「師匠がいない状況で何ができるか?」を表現する言葉のはずだ。

*50:たしかTwitterのタイムラインに流れてきたRTだったと思う。

*51:例えば新卒採用の際に、自分たちの専門技術をあえて本格的に紹介することで、そこに興味を持たない学生のほうから避けてもらうノウハウなどがあるらしい。